2016年10月15日

コンビニ人間 村田沙耶香

こんにちは。jikuasiです。

本日の一冊はこちら。


コンビニ人間

村田 沙耶香 文藝春秋 2016-07-27
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by ヨメレバ


36歳、独身、恋愛歴なし、18年間コンビニバイトを続ける恵子。
食事は全てコンビニで済ませ、コンビニバイトの為に規則正しい生活を送り、昼夜コンビニのことを考えて過ごす。幼いころから”変わっている”と周囲から言われてきた恵子は、コンビニで過ごす時間だけが”世界の部品のひとつ”となり、唯一安らげる空間であった。そんな恵子は同じコンビニの新人として白羽が入ってくる。35歳男、独身、職歴なし、志望動機は婚活の為。しかし与えられた仕事や今の境遇に文句を言うばかりで、何ひとつろくに出来ず、挙句の果てには女性客へのストーカーを理由に解雇されてしまう。
そんな白羽に対して恵子は、恋愛感情も一切なしに、同居することを提案する。双方のメリットが一致したことで、恵子は白羽にエサをやり、白羽は浴室で過ごすという、なんとも奇妙な同居生活が始まる。




2016年芥川賞受賞作

注目なのはなんといっても主人公、古倉恵子の異常ななでの奇天烈っぷり。

クラスに一人くらい、「不思議ちゃん」キャラの子っていますよね。
ちょっと天然というか、ウブというか。
そういう子には実は可愛がられようという作戦でやっている「仮面不思議ちゃん」的な疑いがかかったり
しがちですけれども、
恵子は正真正銘ガチの、それもかなり度を越えた不思議ちゃんです。
自分が、「他と違う、異端である」ということの自覚がないところが、笑える点でもあり、ちょっとかわいそうでもあるな、と感じます。

「喉の渇きを潤す為液体に味が付いている必要性を感じない」
は笑いました。


しかしながら、やはり作者のメッセージも込められているわけでありまして、

「36歳にもなって、コンビニバイトしかしてない、恋愛もしたことない、それって変だよ」

に対し、


「なんで?」


って言われたら、どう答えますか?

納得のいく説明は結構難しいんじゃないかなーと思います。

当たり前は、本当に当たり前か。

皆んなと同じ道を歩まないといけないのか。

そういった悩みにぶつかるのは誰しもが経験してきたことではないでしょうか。

私はどちらかと言えば「皆がこうだからこうじゃなきゃいけない」というのは大嫌いなので、恵子を咎める周囲の友人達のことあまり共感出来ませんでした。

好きなマイナーなバンドが売れてMステとかに出だすと好きじゃなくなっていくという…笑


著者の村田沙耶香さんは実際に現在もコンビニでバイトをしているようです。普段の、恵子に負けない奔放でぶっ飛んだ発言や行動から、作家仲間達からも「クレイジー沙耶香」と呼ばれているようです笑


たいてい芥川賞の受賞作品は、”おもしろくはない”というものだったようですが、これは”おもしろい”と、多数の批評家達が絶賛しておられました。是非に。

コンビニ人間

村田 沙耶香 文藝春秋 2016-07-27
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posted by jikuasi at 15:25| Comment(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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