【初稿】2016.11.17
こんにちは、jikuasi(@jikuasi)です。
今回は、先日別の記事にも書きました、アメトーーク!第3回読書芸人の回で紹介された本のなかから、早速一冊読んだものを紹介したいと思います。
”生まれてくる時代を敢えて間違えた、すべての人たちへ。
フリーク続出! プロの書き手も熱狂する孤高の作家、傑作短篇集!
木下古栗ほどエレガントに「失笑」を飼い慣らした作家を、ほかに知らない。(絲山秋子)
小説がこんなところまで到達できるなんて。「GLOBARISE」を読む前の世界には、わたしはもう戻れない。(柴崎友香)
一読のたびに記憶を消したい。そしてまた読んで完膚なきまでに驚きたい。そういう短編集です。(津村記久子)
我読了。呆然自失、甚大絶頂感。展開奇天烈、言語尖鋭、人格崩壊、世界転覆。震撼哄笑必至、淫行芥川賞受賞必定。以上熱烈推薦所以也。(豊﨑由美)
古栗は常に別腹です。(松田青子)
すべての「意識高い系」読書人を挑発し嘲弄する、この上なくドイヒーでサイコーな文学がここに! ! ! (佐々木敦)
途轍もない視力を持つ位の高い魂に真っ向を射貫かれました。(町田康)” amazonより
jikuasiオススメ度
☆☆☆☆☆ 星5つ
こんな方にオススメ!
・これまでたくさん小説を読んできた人
・たまにはちょっとひねりのある作品が読みたい人
これは…もう、マジで感想とか、説明とか、出来ませんっ!!
光浦靖子さんがオススメして気になったので購入。「ラスト1,2行で全部がひっくり返っちゃう」とコメントされていたので、そのつもりで読み始めたのですが、その期待すらもひっくり返されました。
とにかく、「ファッ!!?」
の連続。
短編集なんですが、短編集と呼んでいいのかも疑問…。
それぞれのストーリーはどれもとても趣のある格式高い文体で始まります。
複雑な設定、登場人物の綿密な一挙手一投足の描写、自分がその場にいるかよように、ありありと描かれる背景描写。
いささかややこしい人物の相関図を頭の中で描き、脳内で整理して、
「ははーん、これはきっと伏線で後で回収されるんだろうな」
なんていう推理小説フリーク気取りで頁をめくる。
そして物語が動き出すかに見えた終盤、
これまで緻密に構成されてきたストーリー全てをちゃぶ台返しのごとく「おらあぁぁぁぁ!!!」とひっくり返してしまう…。
例えて言うならば、
5時間かけて並べ上げたドミノを、完成間近のところで、大量のペンキを思いっきりぶちまける
そんな作品です。
読みながら、「これって小説なのか…?」思わず疑いたくなるほどでした。
凛として時雨の『鮮やかな殺人』を初めて聞いたときのような衝撃。
すみません、これは例えが分かりにくかったですね。
失敬しました( ̄Д ̄)(てへ)
分かりやすい例え持って来ました。
マジック・ザ・ギャザリングで言う「ジョークルホープス」を打たれたみたいな。
ああっ!わたしのキマイラ像ちゃんがぁぁっ!
はい。
光浦のやっちゃん、やられたよ…。
かなりとんがっている作品なので、間違いなく読む人を選びます。
でも、ハマる人はとことんハマるんじゃないでしょうか。
作者紹介
”木下 古栗(きのした ふるくり、1981年 - )は、日本の小説家。埼玉県出身。男性。ナンセンスな下ネタやシュールな展開、独特の言語センスからエロ・バイオレンス・パロディを多用する異色の作風が特徴。
2006年、『群像』2006年6月号で『無限のしもべ』が第49回群像新人文学賞を受賞しデビュー。2009年、大量の書き下ろし短編を含んだ初の単行本『ポジティヴシンキングの末裔』を刊行。
2010年、『いい女vs.いい女』が絲山賞に選ばれ、2015年には『金を払うから素手で殴らせてくれないか?』でTwitter文学賞国内編1位に輝くなど、決して高くない知名度に反して、業界内外にコアなファンを持つ。”wikiより引用
wikiさんあざっす。
こういう独特の作風を得意としている作家さんですね。
web上のインタビュー記事で、今作『グローバライズ』についてこんな風に語っています。
”書かれていることを疑うどころではなく端からまったく信じられないような、スパムのような文章が面白いと感じていたのです。なぜなら、それをまったく信じられないということは、そこに自分にとってより遠い、相通じない「他人」がいるからです。「何を言ってるんだこいつは?」というような、強く「他人」を感じられる方が面白かったわけです。”BOOK SHORTSより引用
何を言ってるんだこいつは?wwww
全くもって同感ですwwww
インタビュー記事はこちらから。
BOOK SHORTS 木下古栗さんインタビュー
いかがでしたでしょうか。
ここまで読んで頂いた方なら、もう読みたくてたまらなくなってますよね!
その気持ちに正直になって、ゲテモノ見たさ(失礼)でぜひ読んでみてください。
1度ハマると抜け出せない、古栗ワールドに引きずり込まれますよ。ずずずー
わたしも他の作品もチェケラしてみよう…
よーい、どくしょっ!
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