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”あまりの美貌がゆえに薄幸人生を生きる美人美術モデル・紺野泉。彼女の望みは「ただ好きな人のそばにいること」。不幸を約束された絶世美女が、幸せ求めて非モテ道を突き進む。
今まで誰も描かなかった不幸美女の苦悩と抵抗を描く痛快笑劇、開幕!
死にもの狂いで非モテ道。あり余る美貌が故、絶対的不幸にさいなまれる美人美術モデル・紺野泉。涙腺ゆるゆる。幸せぽろぽろ。あの手この手で非モテ道に邁進する川沿い美人協奏曲開演。”amazonより引用
今ドラマで放送中の『東京タラレバ娘』の作者、東村アキコさんの作品です。
この『主に泣いてます』も菜々緒さん主演でドラマ化されていました。
この本の3行まとめ!
①主人公がめっちゃくちゃ美人
②美人であるが故の苦悩がやばい
③終始ギャク漫画
①主人公がめっちゃくちゃ美人
主人公の泉さんが、超絶美人。
ほとんどの男性が一目惚れするほどの有り余る美貌を持ってます。
男性からはモテるけど、女性からはめちゃくちゃ妬まれて、どこに行ってもセクハラ・パワハラが尽きない。
仕事の面接に行っても面接官に惚れられてしまうしで、ずっと無職。
惚れられた男からストーキングされて、夜逃げをすることもしょっちゅう。
泉さんを取り合って男性同士がいざこざを起こす流血事件で救急車が何台も来ちゃうなど。
もうその美貌自体が罪なんじゃないかってくらい。
②美人であるが故の苦悩がやばい
この主人公の超美人の泉さん、ただの美人じゃないんです。
控えめで気弱で、主張とか全然出来ないタイプの性格。
ここはもう著者の東村アキコさんのあとがきを引用しましょう。
とにかく昔から超美人の人は何かと大変だろうなあと
心配しながら生きてきました。
ちなみに私が言ってる「何かと大変な美人」とは
つまり「美人だけど気が弱い」人であり、
「美人だけでお人前に出るのが苦手」な人であり
「美人だけど社交的でない」人なわけで・・・
つまり美しいことを武器にしてのし上がっていく美人は
別にしていいんです。
この間なんてうちの近所でこんな美人を見ました。
(お昼休みに、ビルの透間で立ったままお弁当を食べる美人)
私の予想だと、彼女は美しいがゆえ、
職場で一緒に入社した同僚の男に告白されストーカーされ
それを上司に相談したら、その上司に惚れられセクハラされ
「やめてください」と断ったら、翌日から職場でパワハラされ、
困って同じ部署の女性社員たちに相談したら、
それを「モテ自慢」だと受け取られ・・・
そんなこんなで、あっという間にハブられてしまったのでしょう。
休憩室でお弁当も食べられないくらいの
ハブられかたをされているのでしょう、美人ゆえに・・・。
いるんです絶対。
都会のビルの片隅でひっそり生息している不幸美人が・・・。
コミック1巻あとがきより
なんともおぞましい現実。
きっと美人に生まれなかった人からすれば、そんなの贅沢すぎる悩みだとか、色々言われるんでしょうね…。
でもこれは当事者にしか分からんやろなー。
たぶんこの後の人生は…
見た目だけで言い寄ってくる無数のハエのような男どもを蹴散らしながら、
本当に中身の部分を惚れてくれた、全然モテないようなやつに惹かれて、
結婚して可愛い女の子を授かって幸せに暮らすんだけども、
やがてママ友達のお付き合いが始まって
輪に入るだけで「心の中でバカにしてんでしょ」とか言われちゃって、
幼稚園の後のランチに誘われなくなり、
連絡網も回してもらえなくなり、
子供もいじめられて、
引越しを余技なくされるんだけれども、
引越し先でも同じことが無限にループされるんだろうなあ…
こわっ。
ママ友同士のいざこざといえばこれもオススメ。
関連記事:『森に眠る魚』角田光代 感想・あらすじ(ネタバレあり)
③終始ギャク漫画
とシリアスなことを書きましたが、展開はずーっとギャグです。
表紙の右に描かれてるこなきじじいが、超美人の主人公です。
素面でいたらすぐに求婚されてしまうので、なくなくいつもコスプレをさせられています。
(させるのは左側の女の子。泉の保護者的役割)
いつもめっちゃ細かいところを突いてくるコスプレを披露させるんですが、
泉さんは決して嫌がりません。ツッコミもしません。
そこがまたいい。
ちなみに、1巻の最後で、伏線の回収があります。
その回収が、なんとも哀愁が漂っていて、せつない気持ちにさせられます。
さて、いかがでしたでしょうか。
ホント、東村アキコさんの描く女性たちの嘆きとか、
シュールなギャグとか、好きだな~。
今後も注目していきたい作家さんです。
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